はじめに:SNS時代の“リプライ恐怖症”
ブログでもYouTubeでもSNSでも、コメントへの返信は悩ましい問題です。内容が過激だったり、的外れだったりすると、つい反応に困ってしまいますよね。
私は以前から「AIにコメント返信を任せられないだろうか?」と考えていました。特にChatGPTのような言語モデルが“うまくやってくれる”なら、自分のメンタル負担も減らせるのでは……と。
今回は、実際にAIでコメント返信を自動化してみた体験と、それによって見えてきた“リスクと可能性”をお話しします。
体験談:ChatGPTにコメント返信をさせてみた
まず、あるYouTubeのBGM動画に寄せられたコメントを例にします。
「この曲、○○っていうアニメに似てますね」
これは無難な内容でした。ChatGPTに返答を考えてもらうと、
「コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです。○○のアニメはとても印象的ですよね。」
──と、無難ながら丁寧な返事が生成されました。実際に投稿しても違和感なし。
しかし次のような“ちょっとモヤっとする”コメントが来たとき、
「似たようなBGMばっかりじゃないですか?」
これに対してChatGPTは、
「ご意見ありがとうございます。同じように感じられたことについて、真摯に受け止めます。今後もより多様なBGMづくりに努めてまいります。」
──という、いわば“広報文”的な返答を提示してきました。悪くはないのですが、「ほんとにこれでいいの?」という疑問もわきました。
考察:AIの“丁寧すぎる返信”が逆に火種になる?
AIはとにかく丁寧で無難な返答をしがちです。しかしそれが“逆に相手を刺激してしまう”ケースもあることがわかってきました。
たとえば、皮肉や攻撃的なコメントに対して過度に丁寧な返答をすると、
「機械的な対応」
「こっちは本気で言ってるのに、適当に流された感じがする」
──といった反発を招くことも。
つまりAIは、“悪意あるコメントに対して適切な距離感を保つ”という意味ではまだまだ未熟なのです。
ノウハウ:AI返信を活用するための3つのルール
では、AIを活用しつつも炎上リスクを避けるにはどうすればいいか? 私なりの運用ルールを以下にまとめます。
1. AI返信は下書き扱いにする
すぐに投稿せず、一度自分で読み返す
感情のニュアンスを微調整する
2. デリケートな話題にはAIを使わない
政治・宗教・個人攻撃などが含まれる場合は自分で対応
もしくは“スルー”も選択肢に
3. AIに“人間味”を学ばせる
あらかじめ自分の語り口を学習させたプロンプトを使う
例:「私は相手の意見を軽んじずに、やさしく受け止めつつ返答します」
このように“微調整前提の草案生成ツール”としてChatGPTを使うことで、返信作業はかなり楽になります。
おわりに:AIに任せきりにしない“ちょうどよい距離感”を
AIは便利です。でも、コメント返信のような“感情が介在するやりとり”においては、まだ完全に任せきりにはできないと感じました。
それでもAIが作る“草案”は、無駄に感情を消耗せずに冷静に対応するための良いベースになります。
だからこそ大切なのは、
「任せすぎず、使いこなす」
というスタンス。今後も私は、AIと人間の“ちょうどいい分担”を探っていきたいと思います。