ChatGPTに“わざと誤解”させてみたら?──AIの限界を逆手に取る発想法

 


はじめに:誤解から始まる実験

私たちはAIに「正確な答え」を求めがちです。でも、ふと気になったんです。「あえて曖昧な表現を投げかけたら、ChatGPTはどんな“誤解”をするのか?」と。

この実験は、ただの遊び半分ではなく、AIの限界や可能性を知るうえでとても興味深いものでした。今回はその実体験と気づきを、実験記録として残しておこうと思います。


体験談:「これ、アレしておいて」と言ったら?

ある日、私はChatGPTにこう尋ねてみました。

「じゃあ、あれ、例の件、よろしく。」

……我ながらひどい言い方です(笑)。当然ながら人間同士でも誤解を生みかねない指示。ですがChatGPTは律儀にこう返してきました。

「“例の件”というのが何を指しているかが不明なため、具体的な対応ができません。もう少し詳しく教えてもらえますか?」

正論! ですが、ここで少し具体性を与えると、

「昨日のアレ、例のやつ、見ておいて」

といった具合で、ChatGPTは「文脈推論」を始めます。前回の会話履歴が残っていれば「昨日話していた議題」や「記事草案」などを仮定して返してくれるようになります。

曖昧な言い方をしたときに、AIが何を「例の件」と想定するのかを観察するのは、まるで“人間らしさ”のテストをしているようで面白いものでした。


考察:AIが誤解する瞬間にこそ“人間らしさ”がある?

AIは文脈から意味を推測する訓練を受けていますが、それでも「わざと曖昧にする」と途端に困る(あるいは“勝手に補完する”)ことがあります。これはまさに「人間もやりがち」な反応ですよね。

この“誤解の瞬間”に、私は妙な親近感を覚えました。AIだからこそ正確に答えると思っていたのに、状況によっては“勝手な思い込み”すら起こす。逆に言えば、

「AIの限界=使いどころのヒント」

でもあるわけです。

たとえば創作活動では「わざと誤解させて、そこから生まれる意外な展開」を楽しむという使い方もできます。


ノウハウ:誤解させる or させない、使い分けのテクニック

1. 誤解を防ぎたいときのプロンプト術

  • 明確な名詞(「昨日の会議メモ」など)を使う

  • 主語と目的語をはっきり明示

  • 文脈が切れるタイミングで「補足情報」を加える

2. あえて誤解を楽しむプロンプト術

  • 「ちょっとヒントだけで続きを考えてみて」とお願いする

  • 曖昧なセリフだけを与えて、物語を書かせてみる

  • 二重の意味を持つ単語で“引っ掛け”てみる

たとえばこんな例:

「彼女があれをしたのが最後だった。」

この一文でChatGPTが展開するストーリーには、使い手の想定とは違った“誤解の解釈”が含まれることも。そこに思わぬ創造性が宿るのです。


おわりに:誤解の中にヒントがある

ChatGPTに限らず、AIはまだまだ人間のように“空気を読む”ことは得意ではありません。でもその「読めなさ」や「勝手な誤解」こそが、使い方次第で新しい発想につながると、私は実感しました。

今後も私は、誤解すら味方につけて、AIとの“付き合い方”を探っていきたいと思います。