AIに“つまらない雑談”をさせるとどうなる?──雑談力の本質を探る実験

 


はじめに:あえて「意味のない会話」をしてみる

ChatGPTとの会話では、つい「有用な情報」「面白いアイデア」などを求めがちです。でも、ふと考えたんです。

「人間の会話のほとんどは、“意味がないけど、なんとなく成立している雑談”なのでは?」

そこで今回は、ChatGPTに“つまらない雑談”をさせてみる実験を通して、雑談力とは何か、そしてAIとのコミュニケーションに何が足りないのかを探ってみました。


体験談:AIとの「意味のない会話」を試してみた

まずはこんな風に話しかけてみました。

私「今日、天気いいですね」

ChatGPT「そうですね、晴れていると気分も明るくなりますよね。どこかにお出かけの予定ですか?」

ふむ。悪くない。では、さらに続けてみます。

私「いや、特に予定はないですけど、なんか外に出たくなる日ですね」

ChatGPT「そういう日、ありますよね。ちょっと散歩してリフレッシュするのもいいかもしれませんね」

──こうして、会話としては成立しています。でも、どこか違和感がある。たとえば同じ話題を人間と話すと、表情や間、あるいはノリで“雑談感”がもっと出るのです。

ChatGPTとの雑談は、あくまで“整いすぎていて、ちょっとつまらない”。そんな印象を受けました。


考察:「雑談」の本質は“間”と“ズレ”にある

AIとの雑談がつまらないと感じる理由。それは、

  • 「反応が的確すぎる」

  • 「ちょっとしたズレやボケがない」

  • 「間の妙が存在しない」

──という要素にあるのではないかと思います。

たとえば、人間同士の雑談では、

A「昨日コンビニでね、プリン買ったらスプーン入ってなくてさ」

B「あるある(笑) 私は箸しか入ってなかったことある」

みたいな“どうでもいい話の連鎖”があります。ここにあるのは「共感」と「ネタの提供」の応酬であって、必ずしも話の結論や意義が求められていないんですね。

AIはどうしても「意味」や「整合性」を優先するため、この“ズレの共有”がうまくできないのだと思います。


ノウハウ:AIに雑談させる3つの工夫

AIと雑談っぽい会話を楽しむには、ちょっとした工夫が必要です。

1. わざと雑な話題を投げてみる

「おにぎりって、三角じゃなきゃダメですかね?」

みたいな“どうでもいい問い”が効果的です。

2. 相手に質問を返させない

  • 通常、ChatGPTは「あなたはどうですか?」と返してきます。

  • それを遮って、「いや、そうじゃなくてさ」と話を続けてみましょう。

3. ボケる・茶化す・ツッコミを入れる

  • 「うん、それ言うと思った!」

  • 「あ、それ、AIっぽい!」

──など、あえて軽くツッコむことで、“人間らしい会話”を再現できます。


おわりに:「つまらない雑談」にも価値がある

AIは今のところ、「雑談の空気感」までは再現が難しいようです。でも、そこにこそ人間らしさがあるし、雑談には“無駄だからこその価値”があるのだと改めて感じました。

一見どうでもいいような話から、相手の人柄や関係性がにじみ出る──それが雑談の力。そしてそれをAIとどう共有していくか、という視点が今後ますます重要になってくると思います。

今日のオチ? ありません(笑)。

でも、それでいいんです。