普段、私たちはAIに「わかりやすく説明して」と頼むことが多いですよね。
でも、ある日ふと思ったんです。
「わかりにくく説明して」と頼んだら、AIはどうするんだろう?
今回はその“逆転の発想”で、ChatGPTにあえて「わかりにくくする」ようにお願いしてみました。果たして、AIは“わざと難しくする”ことができるのでしょうか?
実験1:「わかりやすい説明」をまず出させる
比較のため、まず普通の質問。
SHOJI:量子コンピュータって、簡単に言うと何?
ChatGPT:量子コンピュータは、量子力学の性質を使って計算を行うコンピュータです。ビットの代わりに「量子ビット(キュービット)」を使い、並列計算が得意です。
はい、とてもわかりやすい。
では、これを……
実験2:「わかりにくくして」と依頼
SHOJI:今の説明、わかりにくくして。
ChatGPT:量子コンピュータとは、量子状態の線形重ね合わせおよび量子干渉を利用して、古典計算機とは異なる演算モデルを構成する情報処理装置である。従来のビットによる状態遷移ではなく、非直感的なハミルトニアンの操作によって演算が行われる……
一気に専門用語だらけに!
- 線形重ね合わせ?
- ハミルトニアンって?
- 非直感的ってなに!?
AIは、あえて難解な言葉を選んで“わかりにくさ”を表現してきました。
実験3:「もっとややこしく」と重ねがけ
SHOJI:もっと、もっとわかりにくく!
ChatGPT:量子論的演算体系において、観測可能なハミルトニアンの固有空間を遷移させるユニタリ変換による状態空間の再配置を通じて、古典的可換代数では記述困難な情報構造を処理する試みが……
すごい。これはもはや、「わかりにくい」ではなく「理解させる気がない」領域です(笑)
わかりにくさの“表現技術”とは
この実験で面白かったのは、
「わかりにくく説明して」という曖昧な指示にも、AIなりに理屈を立てて応じていること
でした。
AIは、“わかりにくい”という状態をこう理解しているようです:
- 専門用語を多用する
- 抽象度を上げる
- 文を長くする
- 修飾語を多く入れる
実際、これは人間でも“わざと難しく見せたいとき”にやりがちな手法ですね。
意図的な「難解さ」はユーモアにもなる?
さらに面白かったのは、「わかりにくさ」にもユーモアの要素があるということ。
SHOJI:「プリンは柔らかい」って、難しく言って
ChatGPT:プリンは、低強度の外力に対して構造的抵抗を最小限にとどめる弾性体である。
笑ってしまいました。
これは「言葉遊び」としても楽しめます。
まとめ:「わかりやすく」の裏にある技術を逆から学ぶ
今回の逆実験を通して、あらためて気づいたのは:
“わかりにくい表現”を意識的に作れるということは、AIが“わかりやすい表現”をちゃんと理解している証拠
ということです。
わざと回りくどくしたり、専門用語を選んだりするのは、意外と高度な作業です。ChatGPTはそれを“演出”することができた。
つまり、わかりやすさとは、技術と意図の結晶なのかもしれません。
あなたもぜひ、「わかりにくくして」と言って遊んでみてくださいね。